聞こえる小説


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中山七里さんの『さよならドビュッシー』『おやすみラフマニノフ』『いつまでもショパン』を立て続けに読みました。

そういえば小説を読むのは久しぶりで、ずいぶん前に湊かなえさんの『告白』を読んでウヘァってなって以来かも。
実際に読んだ順番は、ショパン→ドビュッシー→ラフマニノフ だったのですが、お気に入りの順番は
 1. さよならドビュッシー
 2. おやすみラフマニノフ
 3. いつまでもショパン
ですかね。

折角なので、それぞれ感想を書いていきます。

いつまでもショパン

まず、いつまでもショパン。
ミステリかと思って読むと肩すかしを食らうのですが、そんな事はどうでも良くなる程に、作品中の曲の描写が圧巻でした。
行を追う毎に文章が歌い始め、登場人物がピアノを叩く姿が見え、ショパンの名曲達が聞こえて来る。
不思議な魅力を持った小説で、読書と音楽鑑賞を同時に行っているような感じ。
元々ショパンは好きなのですが、その名を冠した小説に良い意味で期待を裏切られ、他の作品も読んでみなければ
気が済まないという状態になってしまったのでした。

さよならドビュッシー

さよならドビュッシーは、先に映画の方が気になって、結局見ないままだったのですが、それはそれで正解でした。
読むと聞こえる文章は相変わらずで、ドビュッシー好きにはとても心地よいものであると同時に、
これぞミステリ!というストーリーでした。
ショパンがミステリ色薄めだった為、あまり期待していなかった事もあり、油断している所をうっちゃられた感じ。
と言うよりも、ミステリ以外の部分の出来が良いので、自然と油断してしまうというのが正解かもしれません。
いやー何というかこんなに清々しいのも久しぶりかも。

さよならドビュッシー(映画)

そしてやっぱり、映画の方も気になったので見てしまいました。
そういや、初めてアクトビラで見ました。便利ですねこれ。そりゃみんな映画館に行かなくなるわ。

んで、見終わった。
うーん。小説が先で良かった。
映画も悪くない。悪くないんですよ。後半の盛り上がりはとても良かった。
部分的には、小説よりも映画の方が良いな、と思う所もありました。
けどやっぱり、小説を読んでいないと、それぞれの要素がばらばらに見えてしまう気がしました。

自宅のピアノは、映画ではロゴが隠されていて、どこのピアノだろなと思いながら見ていました。
やはりドビュッシーなのと、フェルトが緑色なのとで、古いベヒシュタインじゃないかなと思い調べてみると、当たりでした。

http://kansai.pia.co.jp/interview/cinema/2013-01/good-bye-debussy.html

――ピアノを弾くシーンの撮影で難しかったところは?

利重:そういう質問すごく嬉しいです。実は、ものすごく難しいんですよ(笑)! ピアノって曲面を持っている鏡面なので、どこにいても誰かしら写ってしまうんですよ(笑)。映画にまず使えない(笑)。どうすんの? 写ったの全部CGで消すの? ってそんなお金も時間もないよって話だし(笑)。撮るの本当に難しいんです。ピアノ室のピアノは多少くすんだベヒシュタインというのを入れてますけども。

――それは撮影の為にその種類のピアノを選んだんですか?

利重:というのもあるし、あの家のおじいさんはヨーロッパからワインのトレードをしている人という設定でしたので、彼が「このピアノいいんじゃないか?」って買い付けてきたとしたら、どんなピアノを買ってきたと思う? と、清塚くんに聞いて。そしたら「ヨーロッパだったらエラールとかベヒシュタインとかですかね。」と言ってたんだよね。そこから実際、そんなピアノをどこかが貸してくれるんだろうかと中古屋に行って。あんまり古いものだと調律が狂いやすいものもあるだろうから、実際弾いてもらわないとな。俺が判断できないよなと思って、清塚くんに来てもらって弾いてもらったり。そしたら確かに全部音が違いました。とにかくピアノに関しては苦労しました。

く、ドビュッシー関係無かった。。
補足すると、ドビュッシーは「ピアノ音楽はベヒシュタインのためだけに書かれるべきだ」と言う発言を残しているのです。
ドビュッシーの曲は確かに、ベヒシュタインのピアノととても相性が良く、月の光なんかをベヒシュタインで弾くと最高です。

あとは、ピアノを弾いてる時のアングルに何だか不自然さを感じたのは、写り込みの問題があったからなんですね。
弾いていない事を隠す為かと思ってしまった。大変失礼しました。

おやすみラフマニノフ

最後に、おやすみラフマニノフ。
実はラフマニノフの曲はあまり知らないので、聞こえて来る度は一番少なかったものの、
次々と展開するストーリーはなかなかのものでした。
さよならドビュッシーもそうでしたが、ラストの一文が印象的で、読後の余韻に浸る事ができる作品でした。

ただ、個人的には、雄大が出てくる度に、のだめの峰龍太郎が脳裏に浮かぶという難点がありました。
うーん何故だ。楽器も違うのに。

読み終わった後、すぐにラフマニノフのピアノ協奏曲とピアノ作品集を買い、今それを聴きながらこの文章を書いています。
ラフマニノフいいな。今度は曲を聴きながら小説を読み返したいですね。

そういえば、ラフマニノフは 1943年没で、本人が弾いた録音が残っていたりします。
購入したピアノ作品集はアシュケナージのものですが、次はラフマニノフ本人が弾いたものを聞いてみようと思います。

 

と言うことで、久々に小説を読んだらとても面白かったよという話でした。

  

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